ちゃんと考える本もある。

今週のお題「最近おもしろかった本」

経済学部の未来だけでなく。

経済学部タチバナキ教授が見たニッポンの大学教授と大学生。作者は橘木俊詔氏。タチバナキは「立場なき」の洒落かと思っていたら本名だそうです。
しかも、結構面白かったし、大学の実情をちゃんと捕らえてて分かりやすくて、一気読みしてしまいました。

ちゃんと見てる。

「はしがき」に、「昔の大学生と比較すれば、今の大学生の方が少しは勉強しているかもしれない」ってありました。少しじゃないと思う、かなり勉強してます。
ここで昔は戦後しばらくの間、大学進学率が10%から20%の頃のこと。作者は1943年生まれなので10%の拡大期、ちなみに畦道は停滞期なので20%くらい。
作者の時代よりは畦道の方が就職難で、特に女子はひどかったけど、それでも大学を出ればそこそこ就職できた。90年代はバブルだったし。けど今や進学率は50%、大卒が珍しくなくなってしまった。
なので、どう勉強すれば就職できるか考えるようにはなっている。ちゃんと考えて運営する大学も増えつつある。
むしろ問題なのは教える側、教授側にある、と指摘してます。

大学教授ほど気楽な商売はない、は昔の話。

授業も研究もしない先生が許される時代は終わって、かといっていまさら教授先生に教壇に立ってもらうわけにもいかない。というわけで、非常勤講師の登場です。早稲田大学では六割が非常勤講師だそうで、2013年の労働契約法改正に絡む雇い止めを巡るトラブルについて書かれてます。
そういえば、畦道の授業をしてくれたのはみんな教授だったなあ。20年以上前だけど。日本大学通信制って歴史があるらしいのよ、知らんかったけど。「みんなちゃんとした意志を持って勉強していると僕は信じているから私語しないで授業を受けてくれ。僕を失望させないで欲しい」って言われた先生もいたわ。
たぶん、真夏の熱いさなかにわざわざ出てくるんだからいい先生だったんだろうなあ。
非常勤の講師がみんな悪いわけじゃないと思うのよ。ハローワークの実践英語の講師も大学で教えたりするって言ってたから、たぶん教えるのも上手だと思う。
それに、新しい大学でも面白い授業しているところもあるし、「教える」っていうことに関してはいい方向に行ってるんじゃないかと。

日本の大学生が勉強しない本当の理由

授業料って高くなったねえ。畦道は初年度12万でした。スクーリングの経費はかかるけど、授業料だけなら4年で40万しかかかってません。
でも、私立大学で下宿して、親の仕送りだけでやっていける学生なんてほとんどいないんだろなあ。奨学金は返さなきゃいけないし、給付型の奨学金は留学生に回るし。
勉強なんてしている間ないし、どっちにしても先生は授業に出てこないし。

全入時代で大学はどう生き抜くべきか。

就職支援に対して、例えば神戸学院大学ではOBを招いてます。いっかい社会人になっている人って違うよね。畦道の高校でも、いっかい会社員になっている先生はすごく勉強してた。そういえば神戸大学の先生も、会社員の経験がある人は面白かったな。
んでね。大学教授を就職指導者として使うことが好まれないなら事務員に教育をしてキャリアセンターに配置すればどうか、って提案をしているけれども。
えっと、大学の事務局って、昔から就職相談してくれてたんじゃないんですかね。
畦道は関係なかったけど、普通の大学出た友達は、大学の紹介で就職先見つけてたけどなあ。短大だと事務の人が一緒にいってくれたりするところもあったらしいよ。
それにね。日本大学の通信教育部の事務局は先生も職員も談笑してて和やかな雰囲気で、職員も親切だったけど、みんながみんな、そうじゃないよ。
大学事務員って、競争率高いけど、・・・・だよ。
大学のパンフレットあるでしょ。支出と収入の円グラフがあるはず。教員と職員の人件費、どんな比率か見てごらん。両親が払う授業料と自分のバイト代の一部を、誰がどのくらい使っているか、よーーく見てごらん。
誰が一番気楽な商売しているか、見てごらん。