高度プロフェッショナル制度。

高度プロフェッショナル制度」(高プロ)を含む働き方改革関連法案が、衆議院本会議で5月31日に可決された。Yahoo!ニュース・高度プロフェッショナル制度「きほんのき」(1):「労働時間の規制を外す」→でも労働者は時間で縛れる・上西充子氏の記事を引用しつつ、ハケンで働くことが高プロにどう係わってきそうなのか考えてみる。
(引用)
「労働時間の規制から外す」とは、使用者を規制の縛りから解放する、ということだ。労働者から見れば、労働者を保護していた法規制がなくなり、労働者がその法規制の枠外で働くことを求められる、ということだ。法の保護の外に放り出される、ということだ。
(引用終わり)
・・これは使われる側でなく、使う側にかかっていた規制を外すための法案。長時間労働から労働者を守る法律から労働者を外すための法案。柔軟な働き方の名の下に、残業代なしに何時間でも働かせることができる、っていう法案。
・・ハケンは関係ない。
・・みんなそう思ってるんじゃないかな。ハケンは高度な仕事をしているわけでもプロフェッショナルでもない。もともと時給だし手当だって出ないし、関係ない。
・・でも。ハケンだって対象労働者になりうる。
「労働時間等に関する規定の適用除外」
「第四十一条の二」
賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的とする委員会(使用者及び当該事業場の労働者を代表する者を構成員とするものに限る。)が設置された事業場において、当該委員会がその委員の五分の四以上の多数による条件に関する事項を調査審議し、かつ、使用者が、厚生労働省令で定めるところにより当該決議を行政官庁に届け出た場合において、第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者(以下この項において「対象労働者」という。)であつて書面その他の厚生労働省令で定める方法によりその同意を得たものを当該事業場における第一号に掲げる業務に就かせたときは、この章で定める労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定は、対象労働者については適用しない。
・・この委員会を労働組合と見るなら。ハケンにも労働組合はある。代表選んだことあるでしょ。誰かは知らないけど。組合の集会にも出たこともないけど。
そこで多数で審議して使用者が届出して労働者の同意があって対象の業務についたら、その時からその労働者は対象労働者、つまり高プロになる。
「ただし、第三号から第五号までに規定する措置のいずれかを使用者が講じていない場合は、この限りでない。」っていう条文があるから大丈夫。
いやいや、「この限りでない」っていうのがミソよ。これを適用しない、とは書いてない。
(引用)
5月30日のNHKクローズアップ現代+」で、高プロ賛成派の竹中平蔵氏(東洋大学教授であり、株式会社パソナグループ取締役会長であり、各種の政府の会議の民間議員である)は、この年104日かつ4週4日の休日の付与について、
すごく厳しい規制が課されるんです。これは「最低これだけ休みを取りなさい」と、休みを規制するんです。休みを強制するんです。
と、あたかも厳しい規制であるかのように語っているが、この休日を付与すれば残りの日は24時間連続勤務を命じることができるのだから、まったく厳しくない。にもかかわらず、厳しい規制が課されるように語っているのは、印象操作をねらった発言だったと言わざるを得ない。また、それに続く、
だから、休みを強制して、その休み以外の時間については自由にしなさいということですから
という発言は、あたかも労働者が自由に働けるかのような印象を与えるが、ここで見てきたように、労働者は自由には働けない。「自由に」できるのは、使用者の側である。これも悪質な印象操作と言える。
(引用終わり)
・・パソナに入ったら高プロになっちゃうのかしら。
ハケンのみんな。契約書はちゃんと読もうね。時給はもちろんだけど、残業した時の時給がいくらになるか見ておこうね。毎月の給料明細もきちんと見て、手取りがいくらかだけでなく、自分が何時間働いて税金いくら払っているか、ちゃんと見ておこうね。
とか言いつつ、私も契約書に「MSP使用」って書いてあるの見落としてました。使ってないです。