これからどうなっていくのかな。

読んでみました。

株式会社経営共創基盤の冨山和彦氏が書いた「我が国の産業構造と労働市場パラダイムシフトから見る高等教育機関の今後の方向性」っていう資料を読みましたよ。なかなか面白かったので、思ったことなどを書いてみます。
経済圏をGとLに分けてます。グローバルとローカルね。世界展開している企業と国内の中小企業ってことかしら。Gは生産性が高くてLは低い、っていうことなんだけど。

畦道は事務職なので。

んで、Lは慢性的な労働力不足で、それには労働生産性の持続的上昇が必須だと冨山氏は述べてます。労働生産性は付加価値生産額を投入労働時間で割ったもの、賃金に等しいとしています。
さて畦道は事務職なので、事務系の仕事を中心に考えてみましたよ。
企業の中で事務職が生産性をあげるには。結論から言ってしまえば無駄な書類を作らず、無駄な会議はせず、無駄な残業もせず、っていうことです。
投入した無駄な労働時間が長ければ長いほど、無駄な会議をすればするほど、労働生産性は下がっていきます。事務はそれが最も顕著。
たとえば工場のラインなら。長く稼動させて効率良く生産した製品が売れれば、分子である付加価値生産額も上がるので、労働生産性の高さは維持できることになります。
しかし、事務の仕事には付加価値生産額がほとんどない。ないに等しい。労働の価値がとても低い。なので分子が限りなく小さい。
それはGでもLでも同じこと。できるならなるべくなら、無駄な事務仕事は減らしたい。

なくなったものもある。

ここニ十年ほどで、お茶汲みだけのために事務員を雇う、っていうことはだいぶ減ったみたい。
禁煙のオフイスも増えてきたので、煙草の吸い殻掃除と机を拭くのが主な仕事、っていう事務員も減ってきているみたいです。
その代わり、パソコンが入ってきました。
これまでお茶汲みしていた制服女子事務員は、パソコンできないと駄目、ってことになりました。
これまでは女の子にお茶を入れてもらうのがおじさんのステータスだったのが、女の子にパソコンで資料作らせるのがステータスになりました。
だもんで、冨山氏が提唱するように、経営レベルの低さを直視して、「ひと」のスキルレベルをあげるための施策を、っていっても、ぴんとこないのですな。「うちは女の子がしっかり書類作ってくれてるから大丈夫」ってことになってしまうのです。

なぜ、若年層の賃金低下と雇用の不安定が止まらないか。

冨山氏は上記の答えとして、新規雇用はジョブ型になっていて、技能の専門性と汎用性が高いので企業での育成効率が悪い、他社ですでに訓練を受けた即戦力をとった方が効率的、企業内の人材育成に依存するのは非効率。なので新卒を雇用しない、だから高等教育機関職業訓練に注力すべき、としています。
この「他社ですでに訓練を受けた即戦力」って、畦道はこれ、派遣ね。すみません、新卒の職場を奪ってますね。そうですね。すぐ雇えてすぐ首切れる派遣の方が使いやすいもんね。

でもなあ。

冨山氏はLレベルの大学には文系の先生はいらない、って言ってます。畦道はLレベル大学の文学部卒なんですが、どうすれば。いらないんですか。いい先生いっぱいいたよ。
他にも、工学部は流体力学でなくてトヨタの工場のラインの動かし方、経営や経済は戦力論でなく弥生会計ソフトの使い方、って。英文学はシェイクスピアでなく名所案内の説明力とか。
あーん、そんなのやだー。
畦道が思うに。今の若い人が低賃金でも黙っているのは、働きたくないからじゃない。決して、労働意欲がないわけじゃない。
彼らは、年寄りと働きたくない。女性を永遠に女の子扱いして、若い男の子を虫けら扱いする、そういう年寄りと働きたくない。
そういう年寄りの年金や退職金のためになんて働きたくない。
畦道のようなバブル世代より、今の若者の方がずっと真面目だし、優しい。
でも、もう年寄りに使われるのは嫌だ。
畦道の世代は、景気が良かった。そこそこ給料もよかったし、年寄りはほんとに年寄りで、すぐにいなくなった。
けど、今の年寄りはいつまで経っても退職しない。いつまでも居座って、居直って、若者をいじめている。
それの最たるものが理研でしょ。
ああいうところがなくならない限り、若者は働かない。