大学って何だろね。その2。

大学IRって知ってるかい。

インスティテューショナル・リサーチの略。Institutional Researchですわ。日本語にすれば機関の調査かな。ある機関・団体の実体を組織的に調査して分析、さらには改善点を見つけるっていうもの、らしい。だから大学IRっていえば大学の概要データをいろんな角度から分析して組織としての向上につなげるもの、っていうのが理念かなと。
大学IRは知らなくても大学ランキングはみんな知っているね。大学側が出している概論だと大学に都合のいいところしか出さないから、受験生のみんなはランキングで選んじゃえってことで。大学いっぱいあるしな。
まあね、ぶっちゃけ日本の大学は入れればいいわけで、けども受験生側には限りある「偏差値」っていうものがあるわけで、どんなに行きたくても成績悪ければ行けないわけで、自分の成績に見合っていてしかもそこそこのランキングの大学に行けたらいいなあ、っていうのが現実なんですけどね。
日本でも大学IRの日本型みたいのができかけてます。大学ポートレートです。大学の情報を統一されたフォーマットで比較できるらしい。最初は全大学対象だったけど、任意になったみたいですな。
大学ポートレートに対応できるほどデータ収集できない大学が多いのかなあ。大学なのになあ。大学の中のデータなんて動きも少ないし集めやすいと思うんだけどなあ。

抜けてるのか抜かしてるのか。

とか、ちらちら考えつつ大学IRのレポートを読んでて、思ったですよ。
大学IRというからにはアメリカ発祥の手法です。1960年頃から始まったものらしいです。学生数や卒業率、教員数や設備、就職率なんかをデータからはじき出して、他の大学と比較したり経営計画立てたりするんだけれど。
調査項目には学生の性別や人種はあっても、宗教と犯罪発生率はないんですよね。
まあたぶん宗教はこっそり調べていると思うけど、犯罪発生率は項目に入ってない。新聞に載るような重大なことならネットで調べればいいだろうけど、軽微な犯罪や未遂で終わったものまで調査してます、っていうのはレポートにはなかった。

知りたいのは。

日本人が留学しなくなったのは、海外の大学やその周辺で犯罪が発生するんじゃないか、っていう不安があるからでしょう。みんな言わないけど。アメリカの大学なんて小さい町くらいあって、いろんな人がいっぱいいる。だからいろんな事件も起こる。
日本の大学だって例外じゃないですよ。大学生が起こした事件、年々増えてませんか。学内での盗難や火事、交通事故は増えてませんか。
アメリカみたいに銃がらみの事件はめったにないとしても、学校は決して安全な場所ではない。そして犯罪者にとってはとても居心地のいいところ。
アメリカみたいになる前に、ちゃんと直視しましょうよ。大事なのは就職率や司法試験の合格率だけじゃない。社会に出る前に学生が犯罪者になってしまうような学校を作ってしまわないために、大学が今どうなっているのか、ちゃんと考えましょうよ。