振り出しが戻りました。

結果オーライか。

短期の顔合わせが不可だったという電話がかかってきたのは16時53分。
派遣会社の判断でキャンセルになったはずの仕事が復活したという電話があったのは17時13分。
気持ちは分かります。一人だけ面接して決めてもいいのかなって迷うのは。
まあ、結果オーライということで。精密機械の会社、場所があまりにも都会過ぎて、田舎育ちの畦道には無理だったしね。
さて。来週には開始日が正式に決定するらしいので、面白かった新聞記事などを。

読売新聞。

9月29日木曜日、15面の記事です。日本型雇用をどう考えるか、っていうテーマです。
守る側は甲南大学特別客員教授加護野忠男氏、69歳。変える側は東京大学教授の本田由紀氏、51歳。
分析のポイントです。加護野氏は、
・社員と会社との一体感が日本型雇用の特徴
・日本型雇用は日本の文化に根ざしている
同一労働同一賃金を日本に導入するのは誤り
そして本田氏は、
・若者の労働条件は悪くなっている
・日本型雇用は長時間労働につながる
・職務が明確なジョブ型雇用を広げるべきだ
なのだそうです。

守りたい側は。

加護野氏は、会社との一体感を強みにするべきだと言ってます。日本では現場の社員から業務改善の提案が出てくるんですって。コミットメントの意識があるんだそうです。
ここでの「コミットメント」とは、会社への忠誠心、一体感なのだそうです。ほいで、一般にパートや非正規労働の場合はコミットメントの意識が低く、無差別圏も狭い。なので、同じ条件で雇用するとなると、社員は会社へのコミットメントを放棄するだろう、日本企業の資産を失うことにならないか、ですって。
無差別圏って何ですか。無差別圏が狭いってことは差別圏が広い、つまり差別される、っていうことなのかな。そんならそう書けばいいのに。ほんで、正社員にはコミットメントがある、って、何ですか。
業務改善の提案。正社員が。ほー。そんなのあったら産地偽装とか廃棄食品転売とか起こらないと思いますけどね。そういうことするのほとんど正社員じゃないんですかね。
今の日本企業の競争相手は中韓っていうのもずれてるし。子育てや介護があって残業や転勤が難しい人は限定社員にする、そうすれば会社へのコミットメントは低いが貢献度は高いという人も出てくるだろう、ですって。
会社への忠誠心は低いけど貢献はします、って、そんな人いるかね。
加護野氏にとって、男性はすべて正規労働者、女性は非正規で子育ても介護もしなきゃならないものなんでしょうな。
だから、正規と非正規の賃金を同じにしろと国が強制すると賃金水準が上がってしまい、企業が海外に出ていく恐れがある、のですって。
つまり、非正規の賃金の方が高くなって正規のやる気が削がれる、ってことなんでしょうな。

変えようよという側は。

本田氏は、日本はメンバーシップ雇用だと説明しています。企業は「あれやれ、これやれ」と社員に言えて都合がいい。社員も仕事を教えてくれる会社に忠誠を尽くせて、定年まで安心して働けたと。
でも、メンバーシップ雇用では長時間労働はなくならない。本田氏は述べていませんが、会社が教えてくれることをそのままやっていたのでは会社は会社として成立しなくなってしまった。PCひとつ触れないでは仕事はできなくなってしまった。社員が自分で勉強して、あるいは学生時代からITスキルを身につけなくては簡単な事務さえもこなせない時代になってしまった。
なので、ジョブ型の働き型を広げていくべきだと本田氏は述べてます。看護師や薬剤師、サプライチェーンマネジメント、経理、ネットを使ったPRなど。そしてジョブ型の賃金水準はスキルに応じて決まります。
職務が明確なジョブ型の雇用なら職務に必要な条件がはっきりしていて、採用にも時間がかからない。特定のスキルを持つ人を対象とするジョブ型の採用を試みるべき、としています。
本田氏は述べていませんが、これら「ジョブ型」スキルって、ほとんど女性が持っているスキルですよね。だから男性はジョブ型雇用を採用したがらないんですよね。

分ければいいんじゃない。

これは対談ではないので、二人の意見の論点がずれるのはしょうがないです。加護野氏は、すでに採用されている正規の話、本田氏はこれから採用する新卒の話になっている。
なので。あとは退職するしかない人たちはそのままにして、これからの人たちにはジョブ型の採用をすればいいんじゃないですか。
そのつなぎに、畦道みたいなハケンを雇えばいいんじゃないんですか。
一緒にしようとするから面倒なんですよ。男は会社にずっといたい、女は自分の時間を持ちたい。
今現在雇っている男性はみんな正規にしましょうよ。働いてもらいましょうよ。業績が苦しいから残業代は出せないけど雇用は守るから、って、長時間労働してもらいましょうよ。
ほんで、能力のある女性を非正規で雇って実際の仕事は全部おまかせして、5時には帰ってもらいましょうよ。
ほら。これで日本文化である日本型雇用は守れるし、会社へのコミットメントは低いが貢献度は高い人も雇えるじゃないですか。