考えたことはあんまりないけどね。

特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE

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畦道は東京オリンピックの年に生まれているので、けっこうな年寄り。だから青春時代は昭和ね。
でもって、まだ学生運動の熱がぼそぼそ燃えのこっている、そういう昭和の終わり頃に高校生とかしていましたと。
で、畦道もその頃は普通に本を読んでいて、単行本とか文庫本の回し読みとかしていましたっけ。
で、今回のお題にふさわしい本と言えば。
小田実氏の「アメリカ」。
「なんでもみてやろう」より、「アメリカ」のほうが好き。
わりと暗い本です。アメリカに憧れてはみたけれど、白にはもちろん黒にもなれない、世界の中でいったいどっち向いて歩いていったらいいんだろう、的な。
高度経済成長にもややかげりが見え始めて、普通に勉強していれば大学に行けて、そこそこの仕事にもつけて、自分の家も持てる。
でもね。それが何になるんだろうね、って。
若者が思い始めた時代。
若いから、平和だから、だから希望が未来が将来がある、なんてのは真っ赤な嘘で、どうあがいたって敗戦国に生まれてしまったら、二度と元には戻れない。元の国には帰れない。
親と仲が悪いわけでも、親を尊敬していないわけでもない、だけどどうしようもない違和感は、戦争に負けたから。
私達は、自分の国を失ってしまった。
っていうことを思い知らせてくれます。