それは人並みか、ってことで。

普通の人々。

MTVをつらつら見ていた。インタビューで、Happyっていう曲を作った歌手が、「あの曲がクールなのは普通の人のことを思って作ったからだ」って言ってた。
いろんな人種、いろんな体型、大人も子供も、いろんな人、普通の人がハッピーだってことを想像してごらん。
それは、ビートルズのイマジンと近いようでかなり違う。イマジンには「そんな僕をみんな夢見がちだと言う」という他者の否定的な視線が混じってくる。
Happyは、手を叩いて、そしたらほら本当に幸せになれる、幸せは向こうからやってくる。
だから上を向いて歩こう

日本の夏。

日本の夏は永遠に贖罪と鎮魂の夏なんだろう。御先祖の魂が平和の地に戻ってこられるよう、ロウソクを灯して茄子と胡瓜で馬を作って花火を上げて。
今年で終戦から70年。終戦直後に神戸三ノ宮の駅で母親を亡くして途方にくれていた少年の話。施設に入って高校まで進学し、市職員として勤めあげた。立派だと思う。そういう立派な人にこそ公務員になってもらうべきだ。
ただ、猛烈に腹が立ったのは、学校で孤児だという理由でいじめられたということ。
昔はいじめなんてなかったと年寄りは言うけれど、理由があればいじめてもよかった。それはいじめじゃないから。みんながしてることだから。そしていじめた側は何とも思っていない。
一歩間違えば誰でも孤児になってしまったのに、そんな時こそ助け合わなければいけないのに。
でも、それは普通の人のすることだから許される。立派でも勤勉でもない、ただの普通の人だから、みんながしていればするし、みんなが持っていれば欲しい。
きっと彼らは、永遠にHappyになれない。

小さいけれど大事なHappy。

畦道は食品会社のラインで働いていたことがある。手順を教えてくれた人がとても丁寧で優しくて、嬉しかったのがこの一言だった。「畦道さんなりに工夫してみて」
彼女が転職する日、クッキーの包みを渡してお礼を言った。「え、どうして」と彼女が驚いたので「丁寧に教えて下さったのでお礼です」と言ったら、もっとびっくりして綺麗な大きな目で「ありがとう」と受け取ってくれた。
畦道はとてもプライドが高い。だから、自分の言う通りにしろ、と言われるのが大嫌いだ。だからほとんどのスポーツが嫌い。その反対に、ここまでは教えるけど、後は自分で考えたり工夫したりしてね、と言われるとがんがん考える。というより、最初から考えている。考えないと息ができない。工夫したい。工夫させろ。

それぞれだけれど。

畦道は、けっこう頭はいいけれど、いっぱい抜けたところがあるし飽きっぽいし面倒くさがりなので優秀ではないと思う。
でも、普通の人ではないな。みんながしているから、っていうのは畦道にとって何の理由にもならない。人に言われた通りに同じことだけしていればいい、っていうのも耐えられない。
だから、ずっとHappyではないかもしれないけれど、これがHappyだなっていうのは分かる。
仕事が始まって、引き継ぎしてくれる人が丁寧で優しい。そして、「畦道さんのいいと思う方法でしてくれていいので」と言ってくれる。
Happy。