そろそろまとめ。

2015年。

派遣法はまた棚上げかいな。維新の会はどうする気なんだ。
さて。全国会議の意見をいつまでもつつきまわしててもしょうがないので、八代氏へのインタビューにちゃんと目を通してみましょう。

2014年3月13日。

ダイヤモンド社のビジネス情報サイト・ダイヤモンドオンライン
http://diamond.jp/

八代尚宏 昭和女子大学特命教授・国際基督教大学客員教授
今回の改正法には、労働者派遣法の根幹を変える、『正社員ゼロ法案』という極端なレッテルが貼られている。(中略)
これは、減反という名のカルテルで米価を吊り上げる一方で、「関税を撤廃すれば日本農業が壊滅」という農業保護の論理と共通している。年功賃金という、労働生産性とかい離した賃金体系で、市場賃金で働く派遣社員と比べた競争力が低下するため、政府に保護を求めなければならなくなるのだ。もっとも、農業保護との違いは、保護政策の犠牲となるのが、同じ日本の労働者という点である。

年功賃金が生産性と比例してりゃどんなにいいだかねー。大体反比例だもんな。

派遣社員は、どの会社でも通用する定型的な業務しかできない。個々の会社固有の仕事経験の長い正社員が、なぜ簡単に代替されるのだろうか。むしろ正社員は、定型業務を派遣社員に任せ、自らは会社固有の業務に専念することで、高い賃金にふさわしい仕事ができる。正社員と派遣社員とは、本来、代替的ではなく補完的な関係にあるはずだ。

んとね、ここは畦道はちょっと意見が違うの。定型的な業務は正社員も、というか、正社員こそができてないから。会社固有の業務も派遣にさせてるよ。代替的だったらまだまし。派遣がいなくなったら仕事が止まる会社、いっぱいあるらしい。

元々、弱い立場の派遣社員を守るためには、「自由貿易」の原則に戻る必要がある。それは、正社員という「身分」を保護するのではなく、多様な働き方の社員を平等に扱う、中立的な労働法とすることである。これは、職種別労働市場の欧米では当然の前提である。企業毎に分断された日本の労働市場を改革し、大企業の内と外の労働者の間に存在する大きな壁を、まず取り除かなければならない。

うーんとね、弱い立場の派遣社員も、まあいるかも知れない。けど、派遣のすべてが弱者なわけじゃない。下手な会社員より高給取りで、仕事の切れ目に海外留学して楽しんだり、勉強して独立したりする派遣の女性、いっぱいいます。
派遣の世界はだいぶ前から女性が上になってる。特に英文事務や秘書業務は女の世界。製薬もそうかな。派遣はもともと海外のものだから、そうなるのも自然なことなのかもね。日本型の労働市場には派遣はもともとあわない所に持ってきて、最も古い製造業に派遣を持ち込んだからおかしなことになったのよ。
畦道はね、日本型の労働市場も必要だと思う。大学出て会社員になって、一生同じ仕事で勤め上げる人がいてもいいと思う。仕事はあんまりできないけど、遅刻せず無断欠勤せず、文句も言わず何も考えず、とりあえず言われたことだけ最低限できる会社員がいても、いいと思う。
会社員のすべてがイノベーションしちゃう必要はない。パソコンできなくてもモバイル使えなくても生産性低くても、満員電車に詰め込まれた彼らが会社に通うことで社会にエネルギーが巡る。小さな家を買ってローンを組むことで不動産市場が動く。子供を塾に通わせることで教育関連事業が回る。

長期雇用保障と企業利益の配分を受けるパートナー型の正社員と、企業の生え抜き経営者との間には、欧米のような資本家と労働者の社会階層間対立は少ない。その代わり、年功賃金の正社員と市場賃金の非正社員との間に、「労働者対労働者」の対立が生じている。

男はそうかも知れないね。男の正社員と男の非正社員には差があるかも。でも、女の正社員と女の非正社員の差は少ない。というか、女は半分が非正社員。そんでもって差はないのに対立はあってね。

勤続年数にかかわらず、個人の生産性に応じて処遇を決める人事評価は、正社員の間でも不可欠である。それには企業外部の職種別労働市場で働く派遣社員がひとつの基準となる。定型的な業務を担う派遣社員と比べた正社員の賃金差が、企業への貢献度に見合ったものかどうかが問われる必要がある。

うん。必要ある。でもねそうなると、給料泥棒がいっぱいいるよなー。定型的業務すらこなせない正社員の評価なんてできないでしょ。

元々、長期雇用保障や年功賃金は、法律で定められたものではなく、過去の高い経済成長期に、自然に普及した雇用慣行に過ぎない。それが経済成長の減速や、労働者の高年齢化という大きな環境変化にもかかわらず、判例法で定着してしまった。それを実定法で修正しなかった行政の不作為が、正社員比率の持続的な低下を生む要因となっている。

えーとね、「自然に普及」じゃない。男尊女卑・年功序列・学歴偏重という「伝統的」日本の社会の中で普及したものです。経済が停滞しなくても高齢化が進まなくても、いずれは破たんする雇用慣行だったんじゃあ。
んで、実定法で修正しなかった行政って、行政こそ伝統的日本の固まりだもの、無理だわそれは。

今後の少子高齢化、低成長期に見合った雇用ルールは、欧米型の企業内外の労働市場を通じた均衡処遇を原則とするしかない。ここでの均衡処遇は、勤続年数が長いほど、ほぼ一律に賃金が上昇する正社員の年功賃金を維持したままでは可能ではない。正社員と派遣社員とが、同じ仕事であれば同じ賃金の原則が維持されれば、派遣社員は、派遣会社の手数料分だけコスト高になる。派遣の常用代替は、画一的な規制ではなく、企業のインセンティブを通じて自然に抑制される。

派遣社員は、派遣会社の手数料分だけコスト高になる。」これは、派遣社員の給与が正社員より高い場合。正社員の社会保障は会社が直接しなきゃいけない。けど、派遣社員の給与計算は派遣会社がしてくれる。社会保険雇用保険も、派遣会社が計算してくれる。健康診断も研修も。だから手数料払ったって割高にはならない。腰の重い正社員や契約社員より派遣社員のほうが管理が楽で能力も高い。

現行の「派遣問題」の多くは、実は「正社員問題」の裏返しである。派遣社員をうまく活用する企業は、正社員の働き方の効率性を高める人事管理改革にも結び付けられる。今回の改正案は、派遣会社の規制緩和が主である。肝心の派遣社員の保護を強化するには、その対象職種の拡大や期間制限の撤廃等、さらなる派遣法の改革が求められる。

「対象職種の拡大や期間制限の撤廃」っていうのは一部で行われていて、双方合意の上正社員に、っていう仕事もたくさんあるよ。
でね、「正社員問題」の裏返し、っていうのね。畦道は違う見方をしている。
男女差別が女男差別になったの。派遣の世界は女の世界。実力優先の世界では、男は女には勝てない。それがあからさまになってしまったのが派遣の世界。
それを認められない労組が、派遣を正社員のレベルに引きずり落とそうとしているの。