アジャイルって、その4。

続くぞ。

引用:現実的な予測にしか意味はない。動くソフトウェアこそが進捗そのもの。
「ここはまだ出来てないですけど○○までにはできます!」とか、「今のペースなら人を○人追加すれば期限を○か月短くしてもいいよね」とか、まだ出来てないことや希望的観測は信用できないし、しちゃいけない。
エンジニアは機械じゃない。:ここまで引用
「エンジニアは機械じゃない」にはいろいろ意味があって、ここでは機械じゃないので自分で考えて工夫できる、っていう方で。
機械じゃないので、設定した通りに成果が上げられるわけじゃない。でも、機械じゃないので予測はできる。予想もできる。何が現実的で何が非現実的か判断できる。
・・っていう意味かと思うんだけど、そこに×顧客が乗っかってくるとうまくいくもんもうまくいかなくなるのよね。
引用:計画は死守するものではない。あくまでも予定は未定。
要求の半分ぐらいは使われない機能。
そこよりも、重要なとこをちゃんと作りこんだほうがよくね?
完成を決めるのは顧客。金出すのも顧客。システムの価値を決めるのも顧客。期限を決めるのも顧客。どこまで作るかも顧客。つまり、完成したかどうか判断できるのは顧客だけ。:ここまで引用
判断できるのは顧客。でもね、判断できるような顧客なら、外注はしないんですよ。自前でできるもん。大事な内部情報を外に出すなんてとんでもないわ、なんですよ。
重要なとこをちゃんと作りこんだほうがよくね?って思うのは開発側で、でもどこが重要かなんて×顧客には分かりっこない。
なので、計画を立てる時は、顧客のレベルに合わせましょう。
アジャイル」って言ったって「それって何ジャイル」レベルだろうので、「短期集約モデル」くらいにしておいてあげましょうよ。
最初はとりあえず一ヵ月。だって、必要なデータを集められるまでに遅いところは半年かかってしまうから、まずこういうデータが集まる、って仮定して、実際の操作画面を見せてしまいましょう。もうこれで完成しましたよと顧客が錯覚するくらい綺麗ないけてるのを作ってしまいましょう。
もちろん、以前に作ったやつの使い回しでいいんですよ。完成度の高いシステムの画面のハードコピーとって、ペイントで編集します。イラストレーター使うまでもないです。顧客のロゴやイメージカラーをぺたぺたっ、CSRとかの抜粋を綺麗なフォントで貼ってしまえばできあがり。そしてPowerPointに並べて、時間があるならアニメーション効果も使いましょう。
このボタンを押せばこんな計算ができます、ここで検索ができます、こうすれば印刷もできます。こうすると決算用のデータも取れちゃいます。すごいでしょ。
そんな画面レイアウトを見せられて興奮しない顧客はいません。

アジャイル開発的な。

引用:アジャイル開発って?
まず最初に、アジャイルかどうかを判断するのは、自分たち自身だということ。
アジャイルにやれているか?」「アジャイルな開発とはなにか?」ということを考えるのは、チームである。:ここまで引用
「チーム」には顧客は含まれません。開発側のチームのことです。そして、中心になるのはプログラマーでもデザイナーでも営業でもない。みんなが中心。一体です。
だから、仕事を取ってきたら、できる限りみんなで一緒に話をしましょう。私はJAVAには興味ない、CSSなんか知った事かよ、ではなくて、顧客がどういう職種のどういう雰囲気の会社で、どんなシステムを欲しがっているのか、営業から聞き取りましょう。
システムのイメージを作るのは開発側です。顧客がシステムのイメージを持っていることは極々稀です。まず持ってないと思った方がいい。
だから、開発が作りましょう。顧客の企業イメージに合ったシステム、しかも顧客が使えるレベルのシステムを作りましょう。まずは、デザイナーにいろいろ作ってもらいましょう。もしその顧客が自社のWebページを持っているなら、そこの雰囲気にあわせるのが早道でしょう。持っていないなら、ついでにサイトも作ってあげればいい。
そして、これは理想ですが、顧客とチームが会う機会を作りましょう。飲みに行く必要はないです。営業からプログラマー、設計からデザイナー、できればテスターまで、顧客に挨拶に行く機会があればよいと思います。15分でいいです。大袈裟でなくていいです。黙ってていいです。これこれこういうメンバーで取り組んでおります、よろしくお願いします、っていう機会を、最初の一回でいいので持てればいいな、と思います。
畦道はいろんなベンダーさんと仕事をする機会がありましたが、顔を見てしまうと、あんまりきつい事言えなくなるんですね。「なんだこれっ」って思っても、顔を知ってるとまあしょうがないかなーと思えてしまう。こっちも勘違いする事あるもんなーとか思える。トラブルがあった時も、顔を知っていればあの人にすぐ連絡しよう、っていう気になる。
×顧客だからって、企業として駄目なわけではないんです。IT系が苦手なだけで、その業界ではトップだったりします。内資は特にそうですが、人情味のある会社が多いんです。
しかも、そういう企業のおっちゃん達はIT系の若者達のことをマジスゲーと思っています。
自分もあと30歳若かったらあんな風になれるのに、会社とかできるのに、綺麗なおねーちゃんはべらせられるのに、って思ってます。
なので、おっちゃん達を脅かさないで下さい。虐めないであげて下さい。