アジャイルって、その3。

続くぞ。

Qiitaさんの意見。アジャイルとは?について簡単にまとめてみた、から引用いたしました。
http://qiita.com/wakaba260/items/ecf88a9951f76fceca13
引用:アジャイル開発は銀の弾丸ではない。アジャイル開発は柔軟性と品質を重視した開発手法であり、「問題は起こるもの」と過程したうえで、それに柔軟に対応しようという考え方である。:ここまで引用
アジャイル開発は万能薬じゃない、ってことです。どんな開発にも問題は起こる。それにできる限り柔軟に対処しよう、っていうのがアジャイルだ、と。
そしてそれには顧客側の協力が不可欠なんですけどもね。
引用:アジャイルな考え方
価値を決めるのは開発者じゃなくて顧客です。機能の20%がシステムの価値を決めるという現実を認めよう。そして、システムの価値を決めるのは顧客という現実も認めよう。
顧客の要求通りに作っても、顧客が「コレジャナイ」といえばダメなプロダクト。:ここまで引用
機能の20%がシステムの価値、っていうのは、現実問題として、システムの中で利用されているのは20%程度、顧客の要求の80%は価値にならない、っていうことなんですけどね。
確かに、100%使い切っている、そんなぱっつんぱっつんのシステム、あり得ないです。でも、時々しか使わないモジュールもあるなあ、まあまあ75%くらいは使っているんじゃないの、っていうの。作れると思います。

相手に伝わる言葉で。

それにはね。顧客の言う事は、聞かないの。いや、全く聞かないんじゃないよ。聞いてもいいところだけ聞いて、後は聞いたふりします。システムの価値は顧客が決めた。ような錯覚に陥らせます。
顧客はいろんなこと言いますよ。ほんとに。知識に乏しい顧客ほど、あれもこれもどれもこれも、って、必要じゃない機能まで使いたがる。80%は価値にならない、って言い切りたい気持ちも分かります。
でもね、価値はないかも知れないけれど、意味はあるかも。そのままシステムには生かせない、モジュールにはできないかもしれないけど、データを効率的に使うための「意味」は、あるかも知れない。
システムっていろんな機能があるでしょ。データのバックアップ、集計や解析、いろんな書式に合わせたプリントアウトができるものもある。その機能を切り分けて説明しましょう。×顧客にも分かるように、優しい言葉でね。プロセス、コード、シュミレータくらいなら理解できるかも。でも、ストレージ、メソッド、スキーマ、コンソール、とかになってくると、通じない。
でも×顧客は、絶対に「分からない」とは言いません。ちんぷんかんぷんでも、分かってるふりします。だから、デリートしといてから「あのデータどこ行った」とか言うのです。
やってらんねえ、ですよね、分かります。でもね。
×顧客のおじさん達はね、システムできる若い人たちが羨ましくてしょうがないんですよ。妬ましくてしょうがないんですよ。俺だって若かったらできるのに、女にモテるのにって思ってるんですよ。
だから、×顧客のおじさん達には、自分のお父さんに接するように優しくしてあげて下さい。
あ、畦道は自分の父親にはちっとも優しくしなかったな・・だからこそ、21世紀を生きる開発者の皆さんは、お年寄りには優しくしてあげて下さい。お年寄りが分かる言葉で話してあげて下さい。
×顧客はデータに固執します。だから、とりあえずストレージ作ってあげて下さい。そんで、結局はほとんどいらなくなるでしょうから、古いデータや使わなくなったコードやプロセスは簡単に外せるようにしておきましょう。小さくして保存できるようにしておきましょう。断釈離してあげましょうよ。「断釈離」だったら、お年寄りにも分かるでしょうから。

相手の代わりに考えてあげる。

引用:変化は避けられません。初期にすべての要求を洗い出すのは無理。要求は後から増えるもの。
なぜなら、分析・設計・開発をしてると新しい要求が出てくるから。
顧客が自分の要求を全部わかってるとは限らない。顧客のいう要求が全部正しいかもわからない。そして、作ってしまってから言われても遅い。:ここまで引用
「全部わかってるとは限らない」というより、分かっていたら外注しません。自前で全部できるはずです。「分析・設計・開発をしてると新しい要求が出てくる」というより、分析も設計もできません。できないとわかっているならまだましなほうです。
なので、もちろんすべての要求を洗い出すのは無理です。だって要求が何かも分かっていないんだから。
×顧客は、銀行のATMや自動販売機を使えないお年寄りだと思って下さい。紙コップベンダー式のコーヒーの入れ方が分からなくて困っているお年寄りがいたら、あなたはどうしますか。無視する、じゃなくて、まずコーヒーはどんなのを飲みたいか尋ねますね。お砂糖が入っているのがいいか、ミルクはどうするか。暖かいのが好きか冷たい方がいいか。氷はどうするか。
お年寄りは、いっぺんに聞かれても困る、と怒り出しました。それなら、隣にある缶コーヒーはどうですか。缶コーヒーは飲みたくない。勝手にしやがれ、じゃなくて、それなら僕が暖かくてお砂糖が少し入ったのを買ってみますから、飲んでみてください。それが美味しければいいじゃないですか。
お金も入れてあげて下さい。自分のをね。ここまで親切にされて、お金を払わないというお年寄りはあんまりいないと思います。まず間違いなく、あなたが買ってあげたコーヒーを飲んで、満足してお金を払うはずです。あんたみたいな孫がいたらなあ、などと言い出すはずです。
面倒臭いですね。でもね、お年寄りはコーヒーが飲みたいんじゃないんです。自動販売機でコーヒーを買ってみたいんです。歩きながらミネラルウォーターをラッパ飲みしてみたいんです。ハンバーガーにかぶりついてみたいんです。恋人と路チューしたいんです。
だから、システムを作りたくてしょうがない×顧客の言う通りのコーヒーを作るんじゃなく、あなたが入れやすいコーヒーを入れてあげて下さい。
大丈夫。にっこり笑って納品すれば、顧客の心はあなたのもの。