アジャイルって、その2。

続く。

いろいろ検索して、いろんな人の意見も読んでみて、分かったよ。
みんな、顧客のわがままに振り回されているのね。
だってね、ちゃんとした顧客は、もともと自分の会社の中でアジャイルできているのよ。

  1. 顧客満足を最優先し、価値のあるソフトウェアを早く継続的に提供します。

・・ちゃんとした顧客、つまり自分達に何が必要なのか分かってる顧客は、自前の開発チームを持ってます。サーバー管理ができているので、必要なデータをさっさと取り出して、Excelマクロ使い回して資料なんてあっと言う間に作っちゃう。外注なんてしませんよ。日報取るのにハケン雇うくらい。
だってさ。外注すると、データも業者に渡す事になるわけでしょ。それがどこにどう流れるか。小遣い稼ぎに切り売りされちゃうかも。実際されてるし。
まともな◎顧客は、大事なデータは開示しません。社員が管理してます。開発の丸投げなんてしません。顧客満足を最優先させるに値するような顧客は、外注しません。

  1. 要求の変更はたとえ開発の後期であっても歓迎します。変化を味方につけることによって、お客様の競争力を引き上げます。

・・どれが完成品か分からない、どんなシステム作って欲しいのか分からない×顧客ほど、外注します。そして、変更を要求してきます。
畦道の想像なんだけど。今までのウォーターフロー式の開発だと、完成するまで報酬は支払われなかったんじゃないかって。×顧客が、なんだかんだ言いがかりつけて、支払を伸ばし伸ばしにしたんじゃないか、って。
なので、アジャイルで、細切れに開発してその都度報酬を貰う、っていうやり方を考えついたんじゃないかって。
◎顧客は、もともと細切れに仕事を発注して、終わったら次。あっさりしているよ。肝心なところは社員が管理しているから、ハケンは安心して仕事できる。
ハケンを雇えるようなところはみんなそこそこ大きい。だから×顧客も◎顧客も大きい。×か◎かは大きさには関係ない。で、外資か内資かも関係なし。×顧客には競争力が関係ないところが多い。役所とかね。
でも、土木系、たとえば役所の住宅関連の部署だと、自前のシステムをさっさと作れる人がいたりする。役所は税金の支払とかの絡みで銀行と関係が深いんだけど、銀行は財閥系の開発のノウハウを持ってることが多い。財閥系はPC作ってる会社が多いから、どんなPCに乗せても齟齬なく動くシステムを作るのが得意。
意外に機械系の業者が×顧客だなあ。あ、でも財閥系の業者でも×だったことあるなあ・・

  1. 動くソフトウェアを、2-3週間から2-3ヶ月というできるだけ短い時間間隔でリリースします。

・・2-3週間から2-3ヶ月ってのは、畦道が短期でシステムちょっと直したり日々のデータ回したりするときの期間です。もちろん◎顧客でね。
◎顧客は、社内にアジャイルな仕組みを持っているの。システムの構築に余計なコストはかけないの。

  1. ビジネス側の人と開発者は、プロジェクトを通して日々一緒に働かなければなりません。

・・◎顧客はちゃんと仕事を流してくる。どういうデータを使って、どういうプロセスで、どういう資料を作って欲しいか、ちゃんと説明してくれる。

  1. 意欲に満ちた人々を集めてプロジェクトを構成します。環境と支援を与え仕事が無事終わるまで彼らを信頼します。

・・◎顧客はプロジェクトが何かをちゃんと分かってる。整理されたサーバーと清潔な職場を提供してくれる。

  1. 情報を伝えるもっとも効率的で効果的な方法はフェイス・トゥ・フェイスで話をすることです。

・・◎顧客はちゃんと聞いてくれる。ちゃんと仕事したいから、分からない事があったらすぐ質問しよう、っていう気持ちになれる。×顧客は、「お任せします」っていうだけ。

  1. 動くソフトウェアこそが進捗の最も重要な尺度です。

・・◎顧客は自分達がちゃんと動いているので、どういうソフトウエアが動いているのか、分かってる。

  1. アジャイル・プロセスは持続可能な開発を促進します。一定のペースを継続的に維持できるようにしなければなりません。

・・◎顧客は自前のアジャイルだから、必要に応じてシステムを改善していける。×顧客の開発は永遠に終わらない。スペインのなんちゃらっていう教会なら世界遺産にもなるけどさ。

  1. 技術的卓越性と優れた設計に対する不断の注意が機敏さを高めます。

・・×顧客の注意はすなわちサーバーストップ。

  1. シンプルさ(ムダなく作れる量を最大限にすること)が本質です。

・・×顧客の存在がそもそも。

  1. 最良のアーキテクチャ・要求・設計は、自己組織的なチームから生み出されます。

・・自己組織。×顧客の最も苦手とするところです。

  1. チームがもっと効率を高めることができるかを定期的に振り返り、それに基づいて自分たちのやり方を最適に調整します。

・・×顧客。効率ってなんですか。それっておいしいですか。

つまり。

アジャイル開発が理想とするのは◎顧客に対する場合で、◎顧客は外注でなく内部でシステム作ってしまうので、外注してくるのは×顧客になってしまうという。皮肉です。
でもね。だからってアジャイル開発に未来がないわけじゃない。
×顧客に、◎顧客になってくれって期待してもしょうがない。開発側が、◎顧客に近付けるの。◎顧客が自社内で構築していくプロセスを、開発側が提供してあげるの。